【相続と相続放棄|任意整理トピックス】

相続が原因で借金地獄に堕ちることも

遺産を相続すると、資産だけでなく負債も引き継ぐことになります。

 

相続してしまった後で負債の存在が発覚すると、天国から一転地獄に突き落とされます。

 

こういう形で借金地獄に堕ち、債務整理が必要になる人もいるので、対策をまとめました。

 

債務整理におすすめの弁護士はコチラ

 

相続による債務の継承

相続は、被相続人の財産上の法律関係を包括的に引き継ぎます。

 

これはやさしく言うと、現預金や不動産のような資産だけでなく、負債も引き継ぐということです。

 

親が亡くなって実家の不動産や現預金を相続すればとりあえずは大喜びですが、もし親に借金があればそれを返済する義務も引き継ぐのです。

 

相続人が複数いる場合、相続した資産の比率に応じて負債も引き継ぐことになっています。

 

債務の継承の例

例えば、母親がすでに他界していて今回、父親が亡くなり、5000万円の遺産が残されたとします。

 

子供が2人おり、長男が3000万円、次男が2000万円相続したとすると、比率は60%:40%です。

 

しばらくして、父親には1億円の借金があることが判明し、請求がきました。

 

資産の相続比率に応じて、長男は6000万円、次男は4000万円の負債を負います。

 

この例では負債が資産を大幅に超過しています。

 

遺産を全部返済に充てても、長男は6000−3000=3000万円、次男は4000−2000=2000万円の借金が残ります。

 

この例のようにうっかり相続すると大変なことになる可能性があるのです。

 

相続放棄

相続人には上記のような事態を回避する手段があります。

 

それが「相続放棄」です。

 

相続放棄とは?

相続権がある人は、相続人になること自体を拒否する選択権が与えられています。

 

相続放棄をすれば、遺産は手に入らないかわりに故人の負債を引き継ぐこともありません。

 

資産より借金が大幅に多い場合、たいていの人は相続放棄を選ぶでしょう。

 

しかし、あえて相続する人もいると思います。

 

例えば、3代続いたお店を守りたいから、負債は大きいけれど、あえて相続して立て直しを頑張る、といった場合です。

 

このように、相続を自分で選択できるようになっているのは、相続する立場の人には好都合なことです。

 

相続放棄の手続きは?

相続が開始した地の家庭裁判所に「相続を放棄する」旨の申述をします。

 

所定の書面に相続放棄の理由を書き、相続財産の概略や被相続人・相続人の戸籍謄本など必要資料を添えて提出します。

 

理由は「債務が超過している」等、簡単な説明でよく、ややこしい審査などもなくて、すんなり受理されます。

 

大切なのは、定められた手続きの期限を守っているかどうかです。

 

相続放棄の期限

相続放棄の申述の期限は、相続の開始があったことを知った時から3カ月以内です。

 

これはやさしく言うと、被相続人の死亡と自分に相続権があることを認識した日から3カ月以内ということです。

 

この期間を「熟慮期間」といいます。

 

相続放棄の撤回

詐欺や脅迫によって放棄した場合などを除き、相続放棄の撤回はできません。

 

放棄すると言ったり、やっぱり相続すると言ったり、ころころ変わるのを認めていたら、他の相続人など関係者の人生が混乱するからです。

 

大きな借金があると思って相続放棄したけれど、よく調べてみたら消滅時効が来ていて、借金はなかったとします。

 

この場合も相続放棄の取り消しはできません。

 

相続するにしても相続放棄するにしても、よく調べぬいた上で、確信を持って行うことが大切だということです。

 

人生が変わるような金額の問題ですから、自信がなければ弁護士に相談しましょう。

 

限定承認

相続放棄せずに相続することを選ぶ「承認」には、「単純承認」と「限定承認」があります。

 

「単純承認」だとプラスもマイナスも何もかも引き継ぎます。

 

「限定承認」なら、承継した相続財産の範囲でのみの債務承継になります。

 

だから、最悪は財産は返済に消えてゼロになりますが、相続が原因で借金を背負うことはありません。

 

幸い借金の方が少なければ、返済した残りの財産が手元に残ります。

 

これは財産と負債のどちらが多いのかわからない時に便利です。

 

手続きは相続放棄と同様、熟慮期間内に家庭裁判所に申述します。

 

ただし、ほかに相続人がいる場合は全員で足並みを揃えて限定承認をする必要があります。

 

相続放棄をする人が出てもその人は相続人でなくなるので問題ないですが、1人でも単純承認の人がいれば限定承認はできなくなります。

 

借金の相続から逃れる方法

熟慮期間中に債務の方が大きいと判明した場合は、相続放棄しましょう。

 

相続する財産や負債の調査に時間が足りない場合は、熟慮期間の伸長手続きを取りましょう。

 

相続が思いもよらないような疎遠な親族の債務の返済請求が来た場合は、死亡から3カ月以上経っていても熟慮期間の起算時点を争えます。

 

そういう場合は、相続問題が存在すると知った日から数えて3カ月とすべきという最高裁判決が出ているからです。

 

上記のような場合以外で、熟慮期間を過ぎてしまった場合、借金の相続から逃れることはできません。

 

親が死んで悲しみにくれ、葬儀、墓の購入、法要などに忙殺されて相続のことは放置したまま、3カ月が過ぎるというようなことはよくあります。

 

そうなってから、あるいは何年も経ってから巨額の返済請求が来たら、驚愕するはずです。

 

長い間、請求せず放置されていた借金なら時効になっている可能性もあるのでチェックしましょう。

 

それもだめなら借金は背負うしかありません。

 

いろいろやりくりしても返しきれないとなれば、普通の債務整理と同じです。

 

つまり任意整理から検討して、ダメなら個人再生か自己破産です。

 

債務整理におすすめの弁護士はコチラ