【和解契約|任意整理トピックス】

債務者に有利な内容で弁護士が作る

任意整理の交渉が済んだら、和解内容を契約書にまとめます。

 

注意点について、ある弁護士の記述(※)を参考に紹介します。

 

「クレジット・サラ金の任意整理実務Q&A」 青林書院 Q27和解の章

 

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和解契約書の作成者

依頼された弁護士が、依頼者の利益に極力配慮しながら作成します。

 

当面の合意内容だけでなく、将来起きうる面倒を予防する観点からもよく吟味します。

 

債権者側に作らせてそれをチェックするという方法でも法的には可能ですが、チェックがやっかいです。

 

相手は相手で、当面および将来に有利になりうる条項をいろいろ盛り込んできます。

 

隠れた意図まですべて読み切れるかどうかわかりません。

 

また、新たにこちらの希望する条項、表現を入れようとすると揉めやすい。

 

というわけで、弁護士先生にしっかり作ってもらい、債務者主導で進めましょう。

 

和解契約書の注意点10ポイント

任意整理のメリットは柔軟な解決が可能ということですが、それは相手が自分に有利になるようにあれこれ仕掛けてくるということでもあります。

 

柔軟さをこちらの有利になるように先生に工夫してもらわねばなりません。

 

POINT 1 元本の減額を求める(特に一括払いの場合)

過払い金(ある場合)を引いた元本額から少しでも下げてもらう交渉が望ましいです。

 

特に親族などの協力で一括払いできる場合は、ぜひ交渉しましょう。

 

任意整理しても途中で行き詰まり、自己破産に移行して全額回収不能になる人もいます。

 

それを思えば、今全額回収できるなら、多少のコストを使っても相手にとって割に合う話であるはずです。

 

減額に頑として応じないケースも増えているようですが、トライはしてみるべきです。

 

POINT 2 債務者が履行できる分割払いにする

36回払い(3年間)までは交渉に応じてくれることが多いです。

 

最長は60回払い(5年間)まで応じてくれる場合もあります。

 

月々の返済額に無理がないように設計すべきです。

 

人生には急な出費、病気などによる一時的な減収などがつきものです。

 

何年もの長期スパンでそういうことは不可避です。

 

いっぱいいっぱいの返済だと必ず途中で破綻し、そうなると自己破産しかなくなってきます。

 

するとそこまでの返済はムダになり、最初から自己破産しておいた方がましだったことになります。

 

一方、返済期間があまりに長いと息切れするリスクもあります。

 

弁護士とよく相談して最適の回数を交渉してもらいましょう。

 

POINT 3 遅延損害金と将来利息をつけないこと

東京三会統一基準の遵守です。

 

これは、東京の弁護士の間で練られ、債務整理方法のスタンダードになってきたやり方です。

 

過払い金を差し引いた元金だけ(できればさらに減額して)を分割返済する形にしてもらいます。

 

POINT 4 期限の利益喪失条項が不可避の場合、債務者の利益に最大配慮する

「期限の利益」とは分割返済する権利です。

 

返済が遅れるとこれを失うという条項を入れることを債務者が希望する場合があります。

 

わかりやすく言うと「返済が遅れたら、もう分割返済は認めず、残債を一括返済してもらいます。」ということです。

 

この条項については、債務者の不利益にならないよう、弁護士にできるだけ交渉してもらいましょう。

 

  • 期限の利益喪失条項はできれば入れない。
  • 入れざるを得ない時は1回の遅滞だけで喪失せず、2回以上のできるだけゆとりある条件にする。
  • 喪失の条件の遅滞をしたら自動的に喪失する「当然失期」にせず、その後に債務者が請求して初めて喪失する「請求失期」にする。

 

POINT 5 公正証書作成など債務者に有利な約定をつけないこと

公正証書とは公証人役場で作成してもらう権利義務を記した証書です。

 

公正証書にもいろいろありますが、ここで問題になるのは金銭消費貸借契約公正証書です。

 

裁判所の判決と同じ効力を持ち、裁判をしなくても債務者・保証人の給料・動産・不動産について強制執行が可能になります。

 

債務者に著しく不利なので、作成条項などは入れないようにしてもらいます。

 

POINT 6 管轄の合意をしないこと

訴訟になった時に、裁判所は債権者の会社の地元の裁判所に限るといった条項も入れないようにしてもらいます。

 

POINT 7 清算条項を忘れないこと

この和解契約に関するもの以外、両者の間には何の債権債務もないことを相互に確認するという「清算条項」を入れてもらいます。

 

和解の後で相手が別のことを持ち出してくるのを封じる大切な条項です。

 

POINT 8 取引開始時期の記載をすること

取引履歴の開示について、相手が本当に全部公開しているのか、疑問が残る場合があります。

 

債務者本人はいつから借り始めたかなど、正確には覚えていることはまずないです。

 

取引開始時期を入れておけば、もしそれより古い取引の証拠が見つかった時に、さらなる過払い金返還の交渉も可能になります。

 

POINT 9 依頼者が再度請求を受けない対策を講じておくこと

債務整理が終わって弁護士が離れると、また債務者に近づいてあれこれ理由をつけて請求する悪質な業者もいます。

 

そういうことにならないよう、証書の返却、完済証明書の受領などの策を講じます。

 

POINT 10 合意書の取り交わしから1回目の支払い期日まで時間的余裕を作る

債務者は取り立てが止まって気が抜けている一方、弁護士報酬の支払いが気がかりな状態です。

 

「合意ができたのでいついつに」と目前の日を第一回返済日に指定されても、準備ができていない可能性があります。

 

そこで合意書の捺印日と第一回期日を十分空けてもらうようにします。

 

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