資産も負債もゼロにして再スタート
自己破産とは?
現在の財産を全部差し出すかわりに、すべての債務を帳消しにしてもらう法的手続きです。
任意整理が無理なレベルの借金額なら自己破産しかありません。
過去の金利を法定の上限金利で計算しなおし、将来の金利も全部カットしていくらになるか計算する。
それが3年程度で分割返済がとても不可能なレベルなら、自己破産です。
自己破産するとどうなるか?
資産と負債
持ち家や車など、めぼしい資産はすべて持っていかれます。
しかし、住宅ローンや車のローンがある場合は、それも帳消しになります。
たしかに資産はゼロになりますが、負債もゼロになって白紙からやり直せるのです。
しかも、身の回り品や当面の生活に最低限必要とみなされる現金は残してもらえます。
そして、自己破産後に手に入れたお金や資産はすべて自分のものになります。
周囲の人に知られるか?
役人が大挙して押し寄せ、近所に知られるというようなこともありません。
官報という発行物に破産の事実が記載されますが、読者は極めて限定されています。
あなたも官報というものを見たことは一度もないのではないですか?
読者は、金融機関の債権回収担当、債務整理を扱う弁護士、闇金ぐらいのものです。
あなたが破産した事実を突き止めてやりたいという悪意ある人物にヒントを与えない限り、わざわざ官報を調べる人なんかいません。
だから自己破産者のほとんどは、自分から打ち明けたごく親しい人にしか知られぬまま、再スタートを切るのです。
就けない職業
自己破産すると当分は就けない職業というものがあります。
会社役員、警備員、保険の勧誘員などです。
ただし、一生ではなく、破産申し立てから復権(免責許可と同時)までの間だけです。
特に財産もない場合は、その期間は2カ月半程度です。
たまたま元々の職業がそれらだった人はいったん離職しないといけないので気の毒ですが、それ以外の人は関係のない話です。
制限のある仕事はわずか数種類なので、それ以外の仕事を探す選択肢だってあります。
クレジットカードや新たな借り入れの制限
自己破産後7年くらいは金融機関のブラックリストに名前が載り、新たな借り入れができません。
家電や車をローンで買うこともできないし、住宅ローンを組むこともできません。
しかし、あなたは返せないほどの借金を作った過去があるのですから、これは禊の期間と捉えるべきです。
むしろ借金ができないことで、悪い癖を治し切ることができる、と前向きにとらえるべきです。
クレジットカードももちろん作れません。
カードは単に支払い手段ではなく、IDの役割を果たすこともあるので不便といえば不便です。
しかし、これも禊ととらえましょう。
闇金や自殺よりずっといい
「自己破産は嫌だ、恥ずかしい。」
「一時的に金が用意できてこの急場をしのげれば、事態は変わる」
そう考えて法外な金利の闇金に走る人がいますが、これこそ地獄への坂道です。
自己破産は精神的な苦痛が大きいかもしれませんが、やってみると実生活でのデメリットは意外なほど少なく、白紙から再スタートできます。
闇金に走ったら、債務はこれまでとは比較にならないペースで増加していきます。
「金利が高くても、短期間で返せばいい」ですって?
とんでもない!
返済させてくれるとは限らないのです。
連絡が取れないようにして返済をさせずに金利をどんどん増加させるような手口さえ存在するのです。
最後はヤクザが半グレがでてきて、風俗に売られたり、内臓を売らされたりという場合もあります。
さて、闇金もいけませんが、自殺はさらにいけません。
自己破産すれば確かに資産はゼロになるが、負債もゼロになるのです。
その後に手に入れた資産やお金はすべて自分の物になるのです。
もしかしたら自己破産後の第二の人生は素晴らしい展開になるかもしれないじゃないですか?!
白紙から再スタートできる選択肢があるので、なんで死ぬ必要があるでしょう?
ほかに手段がないというところまで追い詰められたら、弁護士や司法書士を訪ねて自己破産の相談をしましょう。