大手は問題なし。中小は揉めることも。
任意整理に至る債務者の借入先で一番多いのは消費者金融ではないでしょうか。
その概要と任意整理の際の注意についてまとめました。
消費者金融概説
消費者金融が最初に生まれたのは1950年代後半で、現在の大手は主に1960年代に生まれています。
- アコム 1960年 参入(呉服屋→質屋から転業)
- プロミス 1962年 創業
- レイク 1964年 創業(パーソナル・リース、1975年にレイクに社名変更)
- 武富士 1966年 創業(富士商事、1974年武富士に社名変更、2011年倒産)
- アイフル 1967年 創業
70年代にサラ金(サラリーマン金融)の名で悪名を馳せ、80年代から消費者金融と呼ばれるようになりました。
今では考えられない高金利を貪り、多重債務被害者が続出して社会問題化しました。
90年代末には繁栄はピークに達し、長者番付を独占しました。
しかし、社会の批判もピークに達し、2006年の貸金業法改正で規制が強化され、業界は暗転。
過払い金返還請求もラッシュを迎え、消費者金融の倒産も相次いで淘汰されます。
大手は銀行傘下に入るものが増えました。(プロミスは三井住友、アコムは三菱UFJ、レイクは新生銀行傘下)。
2010年からグレーゾーン金利の撤廃が施行されて、金利も銀行カードローンより数パーセント高い程度になりました。
長らく社会問題を引き起こし、裏社会との結びつきの強いグレーな存在でしたが、現在では少なくとも大手は特に不安のない借り入れ先になっています。
任意整理での注意点
任意整理になっても、大手有名社は淡々と事務的に処理するようになっています。
取引履歴の開示や過払い金の返還にも淡々と応じ、抵抗はしません。
昔は大手でも揉めましたが、今はすっかり落ち着いています。
任意整理で問題が起きるとしたら、中小の消費者金融です。
テレビでCMを流し、大きな看板を出し、若い女性が応対してくれるきれいなオフィスの会社ではなく、雑居ビルでおじさんが応対するような街金です。
取引履歴の開示要求に対し、返答がなかったり、一部しか公開しようとしなかったり、記録を破棄して残っていないと言い張ったりします。
過払い金の支払いもあれこれと理屈をつけて嫌がったり、遅延損害金や将来利息の否定にも抵抗します。
債務整理に慣れていて、業界事情にも詳しい弁護士なら、こうした障害もうまく突破してくれます。